飯田市公立保育所民営化方針について

(H18.12.19市議会全員協議会に公表した民営化方針)

1 民営化するにあたっての前提条件等

H13.12.18市議会全員協議会に公表した「公立福祉施設の民間委託」の下記項目を前提条件としている
1. 福祉サービスの確保
 ・保育の質を維持し又は向上させるものであること。
2. 地域への理解
 ・保護者や地元の理解のうえで行われるものであること。
3. 職員の処遇
 ・保育士等の雇用に配慮すること。
4. 受託先
 ・原則として、市内で事業を行う社会福祉法人等で、委託にあたっては、提供されるサービスが現行を下回らないことが必須条件。
5. 少子化による児童数の減少
 ・単なる民営化ではなく、保育所の統廃合を視野に入れたものであること。
「公立福祉施設の民間委託」公表後の状況変化など
○子育て支援に対する保護者ニーズがますます多様化してきたことで、児童福祉法の改正等も踏まえ、保育所運営の充実に加え、より多面的な地域子育て支援策(支援体制)が必要になってきたこと。
○公立保育所のみ保育所運営費及び施設整備費に対する国・県の義務負担分(国県補助金)が一般財源化されたこと。
○その他、国の法改正(規制緩和)により株式会社等でも保育所経営が可能になったことと、保育制度が幼保一元化(幼稚園と保育所の施設や運営を一元化することで財政的に効率的な経営を行おうとするもの)に向かっていること。


2 民営化の目的
(1)保育サービス【長時間保育及び未満児保育等】を拡充していくため
(2)地域子育て支援【在宅育児や発達のために支援を要する児童等】など新たな児童福祉の課題に対応していくため
(3)老朽化した施設の改築や改修など保育環境を整備するため


3 民営化の進め方
(1)平成13年に公表した公立福祉施設の民間委託の1~5の項目を前提条件等として踏まえ、すべての公立保育所等(22園)を民営化の対象としている。
(2)全体の民営化は相当な時間をかけて行うものであり、各園各様の実態を見極めながら、段階的にケースbyケースで進めていく。具体的には、次の保育園等に関係する保護者やまちづくり委員会などの地元関係者との話し合いを行っていく。
1.民営化したとき安定経営が見込まれる保育園等(当面は松尾・伊賀良・鼎・上郷地区)
2. 施設の老朽化や園児数の減少などに対処するため民営化が有効と思われる保育園
(3)民営化による経営移管先法人は、地域で社会福祉法人を新設する場合はその法人に経営移管(選考基準の審査を経て)することを原則とし、それ以外の場合は市内で認可保育所或いは認可幼稚園を経営する社会福祉法人又は学校法人に対して公募し、応募してきた法人に対して保育園ごとに設置した選考委員会で選考して候補決定していくことになる。


4 民営化を進めるに当たり併せて検討する事項
1. 園児数10人未満が複数年続いた場合は閉園又は近隣園との統合・分園化を検討する。 ただし、上村・南信濃地区については、合併協議の趣旨を踏まえ当面現状とする。
2. 将来的な園児数の見通しを踏まえ、閉園又は近隣園との統合を併せて検討する。


5 平成20年4月当初の園児数と割合
割合
※認定こども園とは、幼稚園、保育所等のうち、就学前の子どもに教育・保育を提供し、併せて地域における子育て支援を行う施設として都道府県知事が認定した施設です。飯田市は平成20年4月より私立幼稚園5園のうち4園が幼保連携型(幼稚園と保育園を融合)で 開設しています。


6 保育所・認定こども園・幼稚園入所児童数の動向(4月1日現在)
区別/年度 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21
公立保育所等
(22園)
1,684 1,746 1,740 1,745 1,739 1,735 1,723 1,600 1,627 1,611 1,571
私立認可保育所
(14園・分園2園)
1,107 1,113 1,138 1,173 1,263 1,345 1,364 1,428 1,444 1,418 1,399
認定こども園
(4園)
23 23
私立幼稚園
(5園)
680 609 588 583 625 589 582 551 556 522 515
合   計 3,471 3,468 3,466 3,501 3,627 3,669 3,669 3,579 3,627 3,574 3,508
※他市町村への委託児童は除きます。


7 国・県の補助金制度改正(平成14年度に方針決定された三位一体の行財政改革による)


(1)保育所運営費(平成16年度より改正)
  改正前の補助率 改正後の補助率

公立保育所

国1/2、県1/4

国・県ともに補助対象外(一般財源化)

私立保育所

国1/2、県1/4、市1/4

国1/2、県1/4、市1/4   (継続)


(2)園舎等の増・改築による施設整備費(国補助金基礎額に対して/平成17年度より改正)
  改正前の補助率 改正後の補助率
公立保育所 国1/2、県1/4 国・県ともに補助対象外(一般財源化)
私立保育所 国1/2、県1/4、市1/4 国5/10、市4/10、県補助対象外



8 飯田市の公立保育所における民営化の進め方と流れ(概略)

(1)地域(保護者を含む)の合意形成
1. 地区のまちづくり委員会(自治会)や保護者会に対して飯田市の民営化方針を説明し、いっしょに勉強会(保護者アンケート調査、私立保育園への視察等も含む)などを行って理解を深めていく。
2. 地区ではまちづくり委員会(自治会)などが中心となり保護者会や児童福祉に関係する団体等で構成する民営化検討委員会等を組織化し、地域の理解と合意、市との折衝、保護者の理解と合意などについて具体的に取り組む。
3. 民営化検討委員会等により地区としての方針、地区内の保育所の今後のあり方など課題の整理について十分な話し合いを行って一定の方向性を示す。

(2)経営主体の決定・・・地区の民営化検討委員会等で経営主体について協議
1. 地域が中心となって社会福祉法人を新たに設立して保育する方法
2. すでに市内で認可保育園或いは認可幼稚園を経営している社会福祉法人又は学校法人に受けてもらう方法
3. 地域と市内で認可保育園或いは認可幼稚園を経営している社会福祉法人又は学校法人とが提携して社会福祉法人を新たに設立して保育する方法
上記1~3の経営主体に伴う社会福祉法人等の選択(2・3の場合は社会福祉法人の設立に向けて基本財産づくり組織体制及び県認可審査会への申請準備をする)と決定をする。

(3)経営移管先法人の選考と決定
・民営化による経営移管先法人は、地域で社会福祉法人を新設する場合はその法人に経営移管(選考基準の審査を経て)することを原則とし、それ以外の場合は市内で認可保育所或いは認可幼稚園を経営する社会福祉法人又は学校法人に対して公募し、応募してきた法人に対して保育園ごとに設置した選考委員会で選考して候補決定する。
・選考委員会が市長へ選考結果報告し、市が最終決定する。

(4)必要な施設整備
・老朽化した施設の改修(耐震工事含む)等の取り組みの協議など
・施設の改築については経営移管法人が実施するものとし、「飯田市社会福祉施設整備事業補助金等交付要綱」の交付に加えて、飯田市が創設する(仮称)公立保育所民営化特別補助金により、初回に限り経営移管法人の負担分の1/2以内を補助する。

(5)市・経営移管法人による移管協定・契約の協議・締結など
・市所有の土地・建物・備品など財産の取扱い
・引き継ぎ保育の協議
・法人による職員採用試験の実施
・市議会へ保育所廃止条例の提案

(6)地元地区・保護者会・移管法人・市による懇談会
・民営化によるスムースな移管のための引き継ぎ業務などの協議・細部調整

(7)移管法人による運営
・引き継ぎ保育のための市職員(保育士)の派遣